<事例1>小1女子の不登校・いじめ

子ども(長女)を初めて小学校に入学させた母親です。
娘は学校に喜んで通っていたのですが、数日前から登校を渋るようになりました。 同級の女の子からいじめられていると言います。リーダー格の女の子が強い言葉でいろいろ命令してくるので学校に行くのが怖いと言います。親として、どう対処したらよいでしょうか。
A.子どもの話をていねいに聞いて、安心させてあげましょう

小学校入学直後の1年生の学級は、子ども同士の関係が安定せず、集団の秩序も未成熟です。よく起こる出来事と考えられます。先ずは冷静に、お子さんの学校でのお話や訴えを丁寧に聞いて、安心させてあげることです。頭ごなしに叱ったり、詰問したりせず、心身ともに落ち着かせ、ゆったりとした気分にさせることが肝心です。それだけで、辛い気持ちを乗り越えていく子どもたちもおります。次に、担任の先生と話し合いの時間をもちましょう。娘さんが相手の子のどんな言葉や行動を怖いと感じているのか。どのような場所や場面でそれが起こっているのか、お伝えしながら事実関係を確かめます。先生方に適切な指導をお願いするとともに、少しの間、相手の子と一緒の活動やグループ、接触する場面を回避するなど、現実的な対応をしていただいたらいかがでしょうか。お子さんが学校生活や新しい友達に慣れ、学級内の人間関係がととのい、学級集団にまとまりがでてくると自然に問題が解消することもあります。親の不安が子どもに乗り移ることがあります。どっしりと構え、見守ることも大切です。なお、子どもを前にして、担任批判は禁物です。

<事例2>中2女子の部活での人間関係トラブル

中2の娘はバスケット部で、新人戦を前に部員同士の仲がうまくないと言います。夏休み中、誕生日にスマホを買い与えました。最近、キャプテンの女の子を標的に、「LINE外し」やいたずらメール、誹謗中傷をしている様子です。それが発展し、学級でも集団で無視したり、仲間外れなどをしているようです。数日前から、学校や部活を休みがちだと聞きます。学校に指導をお願いするべきでしょうか。

A.子ども、保護者、教師が力を合わせて、いじめの解決を目指しましょう
 子どもたちが学校生活や部活動など、現実生活に充実感をもてず、不平不満を募らせている。それが、問題行動を生起させている可能性があります。早急に、担任や部活担当と保護者との話し合いの機会をもったらいかがでしょうか。昨今の思春期 (小学校高学年~中学生)女子の集団には、少人数のグループが形成されていることが多くあります。女の子たちはグループへの同調と、グループからの排除が最大の関心事で、孤立することへの恐れは並々ならぬものがあります。「排除の武器」として、スマホによるメールが使われます。LINEは閉じられた社会ですので、排除されるダメージは相当、深刻なものがあります。ネットの中では体力や腕力などに関係なく、誰でもいじめる側になれます。いじめる子(加害)といじめられる子(被害)が簡単に入れ替わります。ネット(スマホ)とリアル(学級、部活)の相互影響でさらに深刻さが増します。新人戦が近いので、大会目標や一体感に訴えた指導、全員参加の練習などで、早期の解決が期待できそうです。なお、フィルタリングをかけていても、「依存」「いじめ」「ゲーム課金」は防げないと言われます。

<事例3>高2男子の男女交際への懸念

高2の息子に、相手の彼女(高2)から毎日のように夜遅く、携帯電話があり困っています。深夜1時、2時頃に電話やメールがあり、外出に誘われることも多く、そのまま外泊することもしばしばです。高校生の交際にしては次第に、度が過ぎてきており、心配です。親がいくら注意しても止める気配がなく、何か起こってからでは遅いと不安が募ります。

A.交際を認めながら、望ましい在り方や問題点、影響などを話し合いましょう
 親が注意したくらいで、高校生の交際を止めさせるのは至難の業と、お話からもよく分かります。当面は、二人の交際を容認しつつ、望ましい在り方や親子の妥協点を探っていくことが考えられます。息子さんがどのように考えているのか、親子の話し合いが不可欠です。いずれは、相手のご両親や彼女との話し合いも必要でしょう。この交際には、望まない妊娠や性感染症の感染、深夜外出で犯罪に巻き込まれるなど、思いがけない展開や危険性が潜んでいます。また、連日の電話や外出、外泊などが、学業や学校生活に好ましくない影響を与えていることも考えられます。片時も携帯電話を離さない状態は、ケータイ依存という問題も孕んでおります。高校の学級担任やスクールカウンセラーの先生などに教育相談されたらいかがでしょうか。また、高校生に関して、同様の事例を数多く扱っている警察の少年係や「やまびこ電話」などに相談する方法もあります。匿名での相談に応じていただけます。

<事例4>大学生のギャンブル依存

大学生の息子のパチンコ通いが高じて、「サラ金」数社から50万円以上も借金していることが分かって、親が仕方なく返済するということがありました。最近は、インターネットの有料ゲームサイトやアダルトサイトにアクセスしている様子です。このまま、ギャンブルから手を引けなくなるのではないか。高額な請求や不当請求があるのではないかなど、毎日、心配でたまりません。
A.ギャンブル依存症は病気です。早急に医療・専門機関の力をかりましょう

一般に、ギャンブルは本人の自覚を待つほかに止めさせる方法はないとも言われます。しかし、ギャンブルに限らず、インターネットや携帯電話などを何か害が生じているのに止められない、ブレーキが利かない、不健康な習慣へののめり込みが続くなどの状態は「依存症」とも考えられます。病気ですから、専門医による医療的な治療が必要な場合もあります。息子さんが「趣味の世界」を超えると思われるのであれば、保健所の医療相談や精神科病院などに相談されたらいかがでしょうか。「サラ金」など民間金融の借金にも法的な解決法があります。インターネット利用に伴う高額請求などに対する消費者保護や被害者救済制度もあります。市民相談センターや県生活センター、法テラスなどが無料相談を行っています。息子さんの状況に応じて、速やかに相談されることをおすすめします。